歯周病治療について
下記の中で、思い当たる症状はございませんか?
- 歯ぐきが腫れ出血する
- 歯ぐきが後退している
- 口臭がある
これらの症状の中で一つでも心当たりがある方は歯周病の可能性がございます。早期の場合は、歯茎や骨を再生させる歯周組織再生療法で歯を残せる可能性があるので、当院へご相談下さい。
歯周病は歯肉や骨が細菌に冒される病気です
歯周病は、プラーク(歯垢)が歯石となり歯ぐきの炎症、歯肉炎(出血)を引き起こし、放置すると炎症が進行します。
また、歯周病は程度により(歯槽骨という骨の吸収度)初期、中等度、重度と分けていますが、症状が進むにつれて歯を支えている(歯の根)骨がどんどん溶かされていき治療も困難になります。根元の骨が溶けていくと歯を支えていられなくなり、次第に歯がグラグラしていき最終的には歯を抜かなくてはならないという結果になります。
歯周病治療の目的
歯周病治療は、歯を支える組織の状態を改善し、安定して咬むことができるお口の環境を維持することを目的にしています。歯槽骨や歯肉の状態を歯周病にかかる前と同様に戻すことを希望される方もいらっしゃいますが、残念ながら完全に戻すことは困難であり、基本的には来院されたときの状況より悪化させずに安定した状態を維持していく治療を行っていきます。
歯周病にかかると、歯自体に虫歯などの問題がなくても抜歯が必要となることがあります。歯周病は歯を支える組織に起こる病気ですから、歯を支えることができないほど進行してしまうと抜歯せざるを得なくなってしまいます。抜かずに済む歯を抜いてしまうことは原則としてありませんし、抜歯となるかどうか疑問の残る歯も極力残すようにしますが、お口を一つの器官として診たときに、抜歯をせずに残すことがリスクとなってしまう場合には戦略的に抜歯を行うこともあります。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法によって、他院で抜歯が必要と診断された歯でも残せる可能性があります。
歯周組織再生療法のメリット
歯を抜かずに残せる
歯周病、虫歯になりにくくなる
見た目の歯ぐきも若返る
自分の歯や治療した歯が長持ちする
歯の動きも止まりしっかり咬める
美しい歯茎は健康な歯茎
歯茎が退縮すると少し色の違う歯の根っこが露出して歯が長く見えます。歯の根っこは虫歯になりやすく、知覚過敏を起こします。
下がってしまった歯ぐきの回復を希望されて来院されました。
治療費用:約10万円
治療の方法と目的
何度も歯科医院で歯石を取る治療しても歯周病が治らないという経験をされる患者様がよくいらっしゃいます。
それは、歯周病にかかってしまうと見える部分の歯石を取るだけでは治らず、症状は進行し、歯周病菌が増殖しない環境が不十分である可能性があります。
歯について不安、お悩みのある方は、当院へご相談下さい。
歯周外科治療について
進んだ歯周病の治療には外科手術が必要です
最初にお口の中の状態を検査した時点で、著しく深い歯周ポケットがある場合や歯茎が下がってしまって歯の根が見えてしまっている場合、丈夫な歯茎がなくブラッシング時に痛みが出てしまう場合などでは、歯周基本治療のみでは十分な改善が達成できないことがあります。このような場合には、歯周基本治療の後に歯周外科治療を用いてさらなる改善を図ります。
(1)歯槽骨再生治療
歯周ポケットが深い場合には、歯周基本治療のみではポケットの深さが改善されないことが多々あります。これはポケットが深いために歯石を取り切ることができず、歯肉の炎症組織が残ってしまうためです。このような場合には歯茎を開き、歯の根を見えるようにした状態で徹底的に歯石除去を行います。最後に、特殊ジェル塗布、骨補填材充填します。
(2)歯茎移植術
歯茎が下がっている場合や固い歯茎がない場合には、上顎の裏側から丈夫な歯茎を切り取り移植を行います。FGG(遊離歯肉移植術)やCTG(結合組織移植術)と呼ばれる方法です。
(3)歯槽骨整形術
患部の歯肉を切開し、歯の根を清掃した後、デコボコになった歯槽骨を滑らかに整えます。
歯周外科治療には様々な種類があり、患者様のご希望やお口の中の状態によって適用となる方法が異なります。
歯周基本治療について
歯みがき(ブラッシング)が重要です
歯周病を治療していく上で最も大切なことはなんでしょうか。歯科医師によって様々な回答があると思いますが、患者様自身によるブラッシングが最重要であるということに異を唱える先生はいないのではないでしょうか。
大半の方は磨き残しであるプラークが歯に付着することから歯周病が始まります。最大の原因を除去しなければ、我々がどのような処置を施したとしても、安定した環境を維持することはできません。よって歯周病の治療は、患者様自身にブラッシングが上手にできるようになっていただくことから始まります。ここで気をつけないといけないのは、食べかすとプラークは異なるということです。
食べかすは強くうがいをすることで取り除くことができますが、プラークはブラシなどを当てないと除去することができません。プラークはバイオフィルムとも呼ばれ、歯に付着した細菌の塊です。また、表面は強固な膜で覆われているため、うがい薬の成分が効かないことが分かっています。ブラッシングが十分に行えるようになった後に、歯石や歯ブラシの届かないところにある磨き残しなどを専用器具を用いて除去していきます。ブラッシングが十分に行えるようになる前に処置を行うと、出血が多いために視野が不明瞭となり除去を十分に行うことができません。また、歯周ポケットの再発や歯茎の状態の悪化などが起こりやすくなってしまいます。
まずは検査結果をふまえて、お口の中にどのような問題があるのかを認識いただき、歯周病というものを理解していただきます。
ブラッシング方法の指導や、歯間ブラシやフロスなどの補助器具の使用方法の説明を行い、磨き残しを減らしていきます。
専用器具を使用して、見えるところにある歯石を除去していきます。
清掃を妨げるむし歯があれば必要に応じて治療を行い、また、不適合なかぶせものを仮歯に換えて清掃性の向上を図ります。
磨き残しが少なくなり、歯茎の状態が改善されていることを確認します。(歯茎の腫れがひいて引き締まってくるため、歯茎が下がり歯の根が見えてくることがあります)
専用器具を使用して、歯周ポケット内に残存している歯石を除去します。
歯周ポケットの深さを測定し、改善されていることを確認します。
仮歯に換えた歯のかぶせもの治療を行います。
定期的に検査やメンテナンスを行っていきます。
歯周病のメンテナンスの重要性について
歯周病治療が終了してもブラッシングが重要です
歯周病治療が終了すると、お口の中の環境が改善されたことが実感できると思います。治療後は改善された環境を維持していく必要がありますが、患者様自身による日頃のブラッシングが非常に重要になってきます。治療が終了したとはいえ、歯周病にかかる前と同様な健康な状態というわけではありませんので、治療中と同様にブラッシングをしっかりと行っていただかないと、歯周病が再発してしまう可能性があります。
しかしながら、日頃のブラッシングをしっかりと行っていただいても、磨き残しがあったり、歯石が着いてしまったりすることがあります。また、歯周ポケット測定などの検査を行うことで客観的に状態を評価することも必要です。そのため、患者様には治療終了後も3ヶ月から半年に1度のペースでメンテナンスに通っていただいてお口の状態をチェックし、歯科衛生士によるクリーニングを行っております。
歯周病を完治しないまま放置すると歯が抜け落ちるだけでなく、「肺炎」「認知症」「心筋梗塞」「糖尿病」「骨粗しょう症」「動脈硬化」などのリスクも高まります。 すでに、歯茎が腫れている、歯茎から出血している、歯茎が下がっている、口臭が気になる方は、早めにご相談ください。